「とにかく細かいオーダーがきくのが、こだわり派にはうれしい限りでしたね」と家づくりの思い出を満足そうに振り返ってくれたMさん。たとえば売ってないモノは『大工につくってもらいましょう』といったスタンス。それがよく現れているのが、Mさんが趣味としているトレーニングの専用ルームだ。頑丈な基礎の上にゴム、ベニヤ材、その上に業務用の床材を敷いた特注の床は強度抜群。万が一、300Kgのバーベルを落っことしても大丈夫という「特注モノ」で、Mさんの要望やライフスタイルを同社がしっかり受け止め、お抱えの腕利き職人がカタチにしたものだ。プランニングにも工夫がある。M氏邸のある敷地は南側道路。ベランダを作るとすれば当然日当たりのいい南側に、となるが、これだと道路に面して洗濯物を干すことになるなど、なにかと生活感丸出しになってしまう。「シンプルモダンな住まい、スッキリした暮らし」を好むMさんとしては、それは避けたかった。そこで提案されたのが、人目につく南側は閉じ、かわりに「中庭」を設けて、さらにその中庭をぐるりと囲んでしまうというプラン。これにより、外からの視線を遮りつつ十分な陽差しを、さらには生活感を排除した「スマート」な暮らしをも実現。Mさんのライフスタイルにぴったり、しかも暮らしやすい住まいが完成した。